導入事例 アドバンド株式会社(東京都豊島区) 代表取締役 中野 道良氏

「当初、B to Bビジネスでリスティング広告なんて信じていませんでしたが、低予算からはじめて新規開拓に成功。一部上場企業からも受注しました」

2009年からデジタルブランディング株式会社がリスティング広告の運用支援をしているアドバンド株式会社。代表の中野道良氏に、これまで行ってきたB to B向けの広告施策のほか、リスティング広告の広告効果について伺いました。

アドバンド株式会社について

東京都豊島区にあるアドバンド株式会社は、企業広報・広告に関わる紙媒体やWebサイト、映像を制作する会社です。創立は2006年。現在は15名のスタッフが在籍し、関東近郊のクライアントを中心に、企業のコンセプトに合ったコミュニケーションツールを提供しています。

尊敬しあうビジネスパートナーとして、友人として

ビジネスパートナーであり、プライベートの付き合いもある中野氏(中央右)と島崎(中央左)

(島崎誠:以下、島崎)中野さん、このたびはお客様インタビューにお力添えをいただきまして、誠にありがとうございます。中野さんとの出会いは私がまだ大学生の頃でしたよね。

(中野道良氏:以下、中野)懐かしいです(笑) 当時の私は独立を視野に入れている会社員でして、いろんなセミナーに参加していました。起業には絶対にマーケティング力が必要だと思っていたので、書籍を読んだり、セミナーに参加したりしていたんです。

そのひとつが、島崎さんと出会ったセミナーだったんですよね。学生で参加しているのは島崎さん以外誰もいなかったので「将来に前向きな学生だな」って感じたのが第一印象でした。

(島崎)セミナーの出会いから、今では尊敬できるビジネスパートナーとしていっしょに仕事ができることが嬉しいです。

企業広報専門の制作会社として起業。経費の大半を広告に投資

起業当時は会社の売り上げのベースを作るべく、とにかくマーケティングに専念して、新規顧客開拓に注力していたという。「明日の仕事のために、お客様と接点を得るのに必死でした」(中野氏)

(中野)その後、私は2006年に起業しました。創業当時は新規顧客開拓が最も重要な仕事だと思っていましたから、とにかくできることは何でもやりました。DM、FAX-DM、メールDMを柱に、テレアポも実施していました。営業職はいませんでしたから、私もデザイナーも、スタッフ全員で一人200件をノルマに電話をかけて、プッシュ型の広告に力を注いでいました。あとは、新聞広告やプレスリリースも使うなどお金をかけていましたね。

(島崎)当時、広告費はおいくらくらいかけていたんですか?

(中野)1回の新聞広告に60万円とか。会社の規模を考えるとかなり広告に予算を割いていました。今でこそオフィスを構えていますが、ついこの間まではずっとマンションの一室で仕事をしていたんですよ。できる限りランニングコストを抑えて、広告に投資するためにやりくりしていました。

(島崎)確か「人件費以外の経費のほとんどを広告に回している」とお話していました。しっかりとマーケティングや広告に予算をかけて、新規顧客開拓に専念するスタイルは今も変わりませんね。

アナログとWebを使ったマーケティングミックスで攻める

デジタルブランディングではリスティング広告をする前に、どれだけ需要があるかはもちろん、自社のビジネスモデルと競合のリサーチに時間をかけています。「アドバンドのサービスの検索ボリュームは比較的少ないですが、資料請求からのフローが仕組み化できていたので、十分、勝負できると判断しました」(島崎)

(中野)ちょこちょこ島崎さんとは会う機会があって、食事をしながら弊社のマーケティングの話をしていたら「リスティング広告はやってみないんですか?」って話があって。

(島崎)中野さんがすごく費用をかけてアナログなマーケティングに労力を費やしていたので、「リスティング広告も効率はいいですよ」ってお話したんですよ。

(中野)そうでしたね。私はリスティング広告という名前を知っている程度で、正直Webマーケティングのことを信用していませんでした。当初はそんな手法でお客さんが来るはずないって思っていましたから(笑)

アドバンドが提供しているものはB to Bの商品ですから、「社内報」や「会社案内」などのキーワードで検索する人はいないだろうと決めつけていたんです。

(島崎)ところがリサーチをしてみたところ、思った以上の検索ボリュームがあったんですよね。検索ボリュームとは「どれだけの人が探しているのか?」という、市場から求められている量のことです。
いくつかアドバンドの広告に関連する言葉を調べてみると十分勝負できるボリュームがありましたから、まずは小さくスタートしてみてはどうかと提案をしたんです。確か、当初は1日1,000円の広告費を上限に、キーワードは「社内報」とそれに関連するキーワードだけではじめていただきました。

(中野)「社内報」を選んだ理由は、ライフタイムバリュー(※)を一番意識したからなんです。1回あたりの取引額がもしも1,000万円と高額だったとしても単発で終わってしまうビジネスは理想的ではなくて。例えば1回の受注金額が20万円、30万円でも、その売り上げがベースとなって何年も継続する仕事がやりたかったからなんです。売り上げの基盤があると経営が安定しますから、企業が1年に複数回発行する「社内報」に注目しました。

リスティング広告は、今までやって来たアナログの広告から比べたらかなりローリスクです。広告費の上限も設定もできますし、やめることもすぐにできます。「ダメだったらやめればいい」って島崎さんも言っていたので、「それならやってみようかな」という軽い気持ちでスタートしました。

(島崎)現在、お問い合わせ数とはどのくらいきているのでしょうか?

(中野)2016年は42社、2017年は75社、2018年はまだ半年の時点で37社です。この数から約1割が正式にお仕事の依頼をいただけている状態です。リスティング広告という強い味方ができたおかげで、営業の効率はバツグンですね。おかげで弊社のビジネスも加速して、順調に売り上げが伸びています。島崎さんがおっしゃっていたように、アナログな営業と比べると効率のよさは比較できないほどです。

それなのに広告費は毎月5万円から7万円程度。年間100万円までは到達しません。また、1件の受注が決まれば粗利ベースで年間の広告費はすぐにペイできる金額になるので、費用対効果をみても申し分ない結果となっています。

※顧客生涯価値。お客様の継続期間、粗利、集客コストで考えるマーケティングの指標。一見の客よりも馴染み客がベターだという考え方。

カスタマージャーニーを考えて、ファンになってもらう工夫をする

アドバンドが資料請求で送付している冊子。たっぷりと会社の情報を届けることができて、検討材料として十分な役割を果たしています。問い合わせ数からの成約率は約1割。

(島崎)私がすごいと感じていることは、中野さんはリスティング広告だけに頼らずに、その後のお客様を育成するストーリーができている部分です。アドバンドのお仕事はB to Bですから、社内の稟議を通したり、相見積もりをしたりと担当者が即決で決められるものではありません。

そういったビジネスの特性を考えて、お客様にファンになってもらう工夫がキチンとできあがっていることも、成功の要因だと思っています。実際にご連絡があった方には、どのような資料をお渡ししていますか?

(中野)資料請求をご依頼くださった企業にはニュースレター、会社案内、マニュアルハンドブックをお送りしています。備考欄に「急いでいます」とコメントがあった方は、郵送してすぐにお電話を入れていますが、基本的には郵送した1週間後くらいにフォローメールを送って返信を待ち、興味がある企業へは面談へ行ってお話しする。つまりストレスは一切ありません。こんな風にアプローチをしていって、合理的に受注できるように自動化しています。

(島崎)リスティング広告を入口に、会社のなかで営業活動の仕組みができあがっているのですね。資料を送付する、電話・メールでフォローする、興味がある会社に面談に行くという流れは、中小企業のB to Bマーケティングのお手本ではないでしょうか。

社内で自走できる運用体制の構築ために、伴走者となる。

「島崎さんからWebマーケティングのことをイチから教えてもらい、Webマーケティングに取り組む覚悟と自信がつきました。次は社内のスタッフを育成して、内製化も視野に入れています」(中野氏)

(中野)そういえば、この前弊社のリスティング広告の担当者が、広告文の変更をしたと話していました。具体的に島崎さんはどのような視点から修正指示をしてくださるのですか?

(島崎)専門的な話になりますが、リスティング広告の広告文には「Googleが求める書き方」があるんです。リスティング広告の掲載順は、入札形式で広告費が高いものから優先的に目立つ部分に出稿されているのは多くの方がご存じだと思います。

ですが、ユーザーが求めている内容に合った商品を検索エンジンに掲載するのがGoogleの役割ですから、Googleは広告の品質も分析して掲載順の判断材料としているんですよね。このことを「品質スコア」といいます。

この品質スコアを上げるために、広告文のアドバイスや、その先のランディングページの微調整を少しずつしている状態です。はじめから正解が分かっているわけではないので、ユーザーとGoogle・Yahoo!の反応を見ながらよりよい広告にしていくお手伝いをしています。

(中野)なるほど、そういう細かな調整があるのですね。今のところ島崎さんが主導でリスティング広告を運用しているのですが、いずれはある程度社内で運用できるようにスタッフの育成もしていきたいですね。

(島崎)正直なところ、自社のノウハウなので細かくお伝えしたくないという気持ちもありますが(笑)、社内のスタッフを運用者へと育成するプランもあります。基本的に私の考えとしても社内で取り組むことに賛成なんです。

(島崎)というのも、運用コストが抑えられるのはもちろんのこと、現場の方であれば状況に応じた効果的な修正がすばやくでき、長い目でみて生産性も高くなるからです。とはいえ、リスティング広告のルールは変動するので、状況に応じた専門的なアドバイスは適宜させて頂いています。

(中野)島崎さんがそうやって弊社に寄り添ってくださることで、成果にもつながっているのだと思います。先ほど話した広告文の話にもつながりますが、島崎さんはリアルタイムで
分析、検証しながら広告文など調整してくれるので安心してお任せできています。

(島崎)ありがとうございます。リスティング広告はわかりずらいことでもあるので安心感を抱かれるのは嬉しいですね。

柔軟な関わり方を通じて顧客やビジネスモデルや理解。そして拡大へ。

「冊子だけでなく、ランディングページもアドバンドさんらしさがあってとても魅力的です。資料請求してみたくなります。」(当社デザイナー 三石)

(中野)うちはデジタルブランディングにしか仕事を依頼したことがないので比較はできませんが、仕事の内容と運用代行費を考えるとリーズナブルですよね。というのは、業者によっては、レポート提出や分析までパッケージになっているためか月々の運用費が高額だと聞いています。また、契約期間にも縛りがあるそうで運用代行をやめようと思ってもすぐにやめられないこともあるとか。

(島崎)そう聞きますね。私たちはリスティング広告の設定代行・運用はお互いを知る最初のきっかけになればと思っており、考え方が違うからかもしれません。

この機会を通じてクライアントが「商品・サービスの理解をしてもらえている」と思っていただければ長いお付き合いもできるかなと。もちろん短期的に成果を獲得することが前提ではあるのですが、大きな成果をつくるにはもっと高い視点から長く関われることが理想的だと考えています。

(中野)なるほど。成果が出たり、内製化の後は、どのように企業と関わっているのですか?

(島崎)それまでの過程からデータも蓄積され、顧客の理解が深まり、ビジネスモデルを俯瞰できるようにもなっているので、ご希望であればですが、リスティング広告周辺のクリエイティブや、さらなる発展のためにWebマーケティングやコンテンツのコンサルティング・実行支援をさせて頂いています。

(中野)それは良いですね。デジタルブランディングは型にはまらず、柔軟に企業ごとの課題やリソースに寄り添って戦略や対策ができる会社だと感じていますが、私たち制作会社としてもそのような関わり方がありがたいです。当社のクライアントさん向けに一緒に展開できれば良いですね。

(島崎)ありがとうございます。アドバンドさんのクリエイティブが好きなので、その良さを活かして成果に結びつくことを考えていくことは楽しいだろうなと。そのためにリスティング広告の内製化も喜んで行わせていただきます(笑)。

リスティング広告は、ニッチな商品サービスこそ適した広告

「どんなに商品力やニーズがあっても人の目に触れなければ活かされません。その点、リスティング広告であればすぐに試すことができる」(島崎)

(島崎)今日のインタビューを振り返って、アドバンドが成功した理由は二つあると考えています。一つは、そもそも提供しているサービスに世間の需要があったということ。検索されている商品やサービスでなければ成果は出ません。その点、「社内報」という商品に需要があったということです。

二つ目の理由は、ランディングページが用意できて、その後のお客様のフォローやリピートまで考慮した戦略があったことです。それが納得の成果につながったのではないでしょうか。

中野さんはたくさんのマーケティングをしてきたなかで、リスティング広告の可能性はどのようなところに感じていますか?

(中野)商品力があってニッチなサービスこそ、リスティング広告に向いていると考えています。B to Bのビジネスをしている企業は、営業活動で困っている会社がたくさんあります。例えば、商品そのものが分かりにくかったり、専門性の高いものだったり、コンサルティングなど目に見えないサービスに適していると思います。

(島崎)おっしゃる通りです。どんなに商品力やニーズがあっても人の目に触れなければ活かされません。

その点、リスティング広告であればすぐに試すことができて、市場が求めているものはなにかを試行錯誤することができますから。まずは小さくはじめてテストマーケティングをすることで、リスクヘッジにもなるのではないでしょうか。アドバンドのように集客が成功するかしないかのおおよその判断はできると思います。

(中野)そこには、検索したユーザーが商品・サービスを知るための販売に特化したランディングページを用意しておくことが必要ですよね。

(島崎)はい、もちろんリスティング広告を打つだけではなくて、クリックした先には商品・サービスの魅力を伝えて、お問い合わせのアクションができるページは必要になります。

その後、予想していた通りの成果があったら、「お客様の卵」から「お客様」になるようにしっかりとフォロー体制を構築していけばよいと私は考えています。

(中野)これまで島崎さんにはかなり寄り添ってもらって、リスティング広告が成功しました。これからもよきビジネスパートナーとして、お互いに前進していきましょう!

(島崎)中野さん、こちらこそこれからもどうぞよろしくお願いいたします。アドバンドでも、また新しい企画ができたらテストしてみましょう。本日は貴重なお時間をいただき、どうもありがとうございました。

「Webマーケティングで事業規模は拡大しました。これからも、アドバンドのよき相棒として、寄り添った支援をお願いいたします」(中野)

取材日時:2018年6月
取材執筆:高橋かずえ(はぐくむ)

※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです